工務店やハウスメーカーが継続的に顧客を集めるためには、成約につながる販売の戦略を立ててマーケティングを実施していくことが大事。実際に工務店やハウスメーカーではどのような集客方法が行われているのか、まとめました。最近注目の集客方法についても、チェックしておきましょう。
SEO対策とは特定のキーワードで検索をしたときに、検索エンジンで自社のホームページを上位に表示させる対策のこと。検索結果のトップにあれば、工務店やハウスメーカーを多くの人に知ってもらうことができます。
SEOで上位表示するためにはさまざまな手法がありますが、ユーザーが求めている有益なコンテンツを作成したり、信頼できる情報が掲載されている質の高いサイトであることなどが検索結果のトップページに掲載される要件になります。
また、SEO対策のためのキーワードを選定する時は、自社のホームページが目標としているアクションにつながるキーワードを選ぶことがポイント。集客と成約につながりやすいものをセレクトしましょう。
MEO対策とは、Googleマップなどの地図検索(ローカル検索)で自社の情報を検索上位に表示させる対策のこと。Googleマップの場合、Googleで「地域名 サービス名/業種」で検索した場合、地図と一緒に周辺地域の工務店の情報が一覧で表示されるようになっています。
そのため、検索ユーザーに見つけやすくするためにはMEO対策を行うと効果的。一覧の中で上位に表示されるため、そのジャンルに興味のある人に認知してもらいやすくなるのです。
MEO対策として行われるのは、Googleマイビジネスに登録した情報を充実させることが大切です。特に顧客に入力してもらう口コミ数が多いと、上位表示されやすい傾向にあります。
リスティング広告とは、検索エンジンの検索結果に連動して画面に掲載される広告のこと。指定した特定のキーワードに対して広告を表示することができるため、集客の手段のひとつとして用いられています。
リスティング広告は、今すぐに必要な情報を探している人に対して行うアプローチ方法。ターゲットの属性やエリアを入力するだけで、ユーザーを自動で絞り込んでくれる機能(ターゲティング)もあるため、他のWeb広告と比較して集客効果が高いとされています。
リスティング広告を出稿する際は、エリアターゲティングをした広告とエリアターゲティングをしないで地域キーワードを盛り込んだ広告を出稿することで、より集客効果が期待できるでしょう。
InstagramやTwitterなどのSNS投稿を通じて、宣伝や集客を行う方法もあります。特にInstagramは、最大90秒のショート動画が投稿できるリール機能によって、リーチ(投稿を閲覧したユーザー数)の拡大に効果的。
投稿を多くの人に拡散しやすいシステムなので、Instagramの投稿を見たユーザーが多ければ自社を知ってもらうきっかけになることも。自社で手掛けている住宅等をルームツアーのように宣伝したりすると、住宅に興味を示すユーザーがフォローしてくれるので集客にも役立ちます。
そして、Instagramのホーム画面に表示されるフィード投稿では、イベントや新着情報などのフォロワーが来店のきっかけとなる情報を発信。フォローしてくれたユーザーに対して見込み客になるように育成していきます。
Instagramは、写真を中心としたコンテンツを発信する大手SNSです。施工事例や打ち合わせの風景などの写真・ショート動画投稿を通して、自社の商品の魅力やこだわりなどを視覚的に訴求できるため、工務店の広告ツールとしても最適。また、Instagramのユーザーにはこれから家を建てる20代~30代が多いので、そういった層の集客を増やしたいのであれば活用したいSNSです。
そのほかにも魅力的なコンテンツの発信で新規フォロワーを獲得して顧客化したり、検討中の顧客向けの情報を定期的に発信して成約率を向上させたり、自社のブランディンク化したりといった活用ができます。
X(旧Twitter)は国内のSNSのなかでもLINE、YouTubeに続いてアクティブユーザー数の多いSNSです。情報の拡散力が高いのが特徴で、ユーザーに刺さる投稿をすれば話題となって多くのユーザーにリーチできる可能性があります。そのため、Xの運用で問い合わせを獲得するにはユーザーがリポストやいいね!したくなる投稿を意識するようにしましょう。
一方で、投稿内容によってはXの拡散力の高さが裏目にでることも。コンプライアンス違反や炎上しかねない投稿をすると悪い評判が一気に拡散されてしまうため、投稿内容には注意が必要です。
少しでも多くのユーザーに投稿がリーチできるようにするには、ハッシュタグを活用するのもおすすめ。人気のハッシュタグを紹介しているトレンド機能に住宅関連のものが入っている場合は、そのハッシュタグを使って投稿してみるのも良いでしょう。
TikTokは10代・20代を中心に人気を集めている動画共有SNSで、1分程度の短尺動画に特化しているのが特徴。TikTokを集客に活用している工務店はYouTubeやInstagramに比べてまだ少ないため、今からコンテンツを充実させて集客の土台を固めておきたいSNSです。
TikTokは拡散力が高いので、自社の認知度向上として有用。工務店の集客に欠かせないInstagramは拡散力が弱いため、それを補う方法としてTikTokを併用して運用するのもおすすめです。
TikTokを運用する際は、閲覧を増やすためにおすすめに表示されるような動画を投稿することが大切。また、動画を見続けてもらうためには、開始1~2秒の見せ場を意識して飽きさせない動画を作成する必要があります。
YouTubeチャンネルを開設して、自社の物件情報などの紹介動画を投稿し集客につなげていく手法もあります。YouTubeであれば、InstagramやTwitter等の写真やショート動画では伝えられない内容まで詳しく説明することもできます。
閲覧ユーザー数を多く獲得するには動画の再生数を増やすことが前提となりますが、YouTubeもリーチ拡大に有効です。ルームツアー動画をいくつか投稿しただけでは再生数を稼ぐことが難しいため、競合との差別化を図る動画を作成することが必須。
自社の特徴や強みとなる部分を際立たせた動画を投稿することで、自社の物件とマッチするユーザーを獲得しやすくなるでしょう。
住宅専門のポータルサイトに登録して集客を行っていくことも有効です。不動産ポータルサイトは、物件や工務店、ハウスメーカーを探す多くのユーザーが利用しているため、サイトに登録しておくだけで自社をPRしていくことができます。
簡単に自社の住宅情報を掲載できるサイトが多いため、自社ホームページがない場合も集客が可能。集客に予算がかけられる場合は、手間なく集客が行えるポータルサイトを利用するのもおすすめです。
競合と同じように表示されるため他社との差別化を図りにくいといったデメリットもありますが、ポータルサイトに自社の情報を掲載することで、自社サイトにアクセスを集められるでしょう。
バーチャル展示場とは、VR技術を活用したオンライン上の住宅展示場のことです。新たな集客手段のひとつとして注目されており、多くの企業が導入をはじめています。スマホやパソコンから好きな時にいつでもモデルハウスを内覧することができるので、住宅展示場へ足を運ばなくてもVRでリアルな体験をすることが可能です。
実物の住宅が見学できるイベントは、昔から行われているオーソドックスな集客方法です。どんな家を建てたいかというイメージがしやすくなるので、モデルハウスが完成したら完成見学会や展覧会などのイベントに出展し、家を建てたいというユーザーにアプローチしていきましょう。
見学会や展示会を開催することで、そのエリアでマイホームを建てたいという確度の高い顧客を獲得することが期待できます。また、認知度が低い企業にとっては、モデルハウスを建ててイベントを開催することで幅広い方に自社を知ってもらえる機会が増えるため、プロモーションの場にもなるでしょう。
ただし、モデルハウスの認知宣伝効果は大きいですが、住宅を建設する場合と同様のコストが必要となるため、実行する際は費用対効果を考慮して行うことが大切です。
現地でのイベントだけではなく、オンラインイベントも選択肢の一つです。オンラインイベントの利点は、実際に足を運ばなくてもイベントに参加できる点。イベントは工務店・顧客双方にとって有意義なものですが、スケジュール調整、顧客側の参加費用などコストがかかります。しかしオフラインイベントであれば、スマートフォンやタブレットなどの端末さえあれば参加可能です。
近年の端末の普及状況を踏まえると、オンラインイベントは「参加のハードルの高いイベント」ではなく、実際に足を運ばなくても必要な情報を得られる機会です。イベントに興味はあるものの、人混みが苦手な方や実際に足を運ぶのは抵抗があるといった層にも効果的なアピールが可能です。
PCやスマートフォンから確認できるデジタルカタログもマーケティングに有効です。紙のパンフレット・カタログは手に取って見てもらうことで多種多様な情報を提供できますが、持ち運びの手間がかかるのはネックといえるでしょう。
その点デジタルカタログは持ち運びの手間がなく、思い立ったその時に手元の端末から確認できます。利便性の高さに加え、広い層からの閲覧機会を増やし、結果的に自社の認知拡大に繋げることが可能です。
デジタルカタログに掲載するファイルは文字・画像だけではなく、動画も対応しています。そのため、様々な形で自社の強みをアピールできます。また、デジタルカタログは印刷する手間・コストがかかりません。一度製作すればURLを送付するだけで誰もが閲覧できるため、多くの人に見てもらうほどコストパフォーマンスが高まります。
販売エリアの人に効率的に周知していく方法として、看板広告やチラシ、ポスターといったオフラインでの集客があります。ターゲットは絞り込みにくいですが、エリアを限定したアプローチを行いやすいのが特徴。インターネットを活用しない年齢層に対して、アプローチしていくことができます。
初期費用として集客に使うアイテムの制作コストがかかりますが、一度作った看板やチラシは長く使用することが可能。設置場所や数、大きさなどによって費用が変わるためコストパフォーマンスは予測しにくい施策ですが、活用次第でさまざまな集客に利用できるでしょう。
モデルハウスや完成見学会などの誘導先が明確である場合や、人通りが多い場所で実施するときに有効な集客方法です。
看板の設置はエリアを限定したマーケティングでよく用いられる手法で、効果計測がしやすいというメリットがあります。
地域密着型の工務店であれば、建築中の現場に看板を設置することで、認知度を高めて集客につなげることが可能。特に戸建住宅の建築現場は施工事例を写真ではなく実物で確認できるため、自社のこだわりや技術力のアピールに説得力が生まれます。そこに会社情報やホームページのURLを記載した看板を設置すれば、受注機会の拡大を図れるでしょう。
地元住民をターゲットとしている工務店の場合、配布したいエリアを指定できる新聞の折り込みチラシやポスティングといった集客方法が効果的です。
チラシやポスティングであれば、オンライン広告では集客が難しいインターネットを利用しない層にもアプローチでき、問い合わせにつながる可能性も期待できます。チラシは無料アプリなどで簡単に作成できるため、オフライン広告のなかでは比較的低コストなのもポイント。施工例の写真を掲載すると、どういった住宅を建てる工務店なのかがイメージしやすく、興味を持ってもらいやすくなります。
ポスターは日常生活のなかで自然と繰り返し目に入るため、自社の認知度の向上を図ることができます。また、イベントを開催する際に、地元の人々への周知活動としても効果的です。特定の駅や商店街など場所を絞って掲出することで、その場所の利用者数や1日の接触数などから大まかなリーチ数を予測できるというメリットもあります。
フリーペーパーへの掲載は自社の認知度拡大を図れ、潜在層にアプローチする手法として有効です。子育て世代やリフォームを検討する高齢者など狙いたい層が絞られている場合は、その層の読者が多いフリーペーパーに広告を掲載すると集客効果をより高められるでしょう。
交通広告は、バスや電車、タクシーなどの交通機関に広告を掲載する方法です。多くの人が利用する交通機関に広告を掲載することにより、工務店の存在やサービスの特徴などを周知できるのが特徴。また、利用者の目に自然と入るので、繰り返し目にすることで親近感を覚えてもらえるというメリットもあります。
また、自社のホームページやSNSなどのQRコードも一緒に掲載しておくと、興味を持った人に検索を促してより詳しく知ってもらうことができるでしょう。
集客には、まず自社の認知度を拡大していくことが重要。そのため、見込み客を多く集めるためには、幅広い層へのアプローチが必要です。
集客を成功させるためには、SNS運用やブログなどのオンライン集客と、看板やチラシといったオフライン集客を上手く組み合わせて行うのがおすすめ。自社の強みや現状の売上等を分析しながら、効果的な施策を講じていきましょう。
ここでは、出展後にユーザーデータをはじめとする情報を取得できると公式サイトに明記されているバーチャル展示場を課題別に紹介します。
特徴
特徴
特徴
※選定条件
2023年5月18日Googleで「バーチャル展示場」「バーチャル住宅展示場」「VR展示場」「バーチャルモデルハウス」「メタバース住宅展示場」と検索して、バーチャル展示場のプラットフォームを提供している32社のうち、取得できるデータやレポートについて明記している会社は3社のみでした。それぞれの会社をマーケティングに関するサービスの特徴別に紹介します。
LIVRA WORLD:より精度の高いリアルタイムでのユーザーデータを取得できるという特徴から紹介(取得可能データ:顧客情報、各社掲載ページの行動ログ、VRモデルハウスの全体の行動ログ)
MY HOME MARKET:コンセプト考案などの住宅商品開発の支援など、出展前の相談にも対応しているという特徴から紹介(取得可能データ:全体のサイト動向、各社月次レポート)
工務店のメタバース住宅展示場:出展後の運用をすべて委託できるという特徴から紹介(取得可能データ:毎月の運用結果)
(※2023年7月編集チーム調査時点)