バーチャルイベントとは、インターネット上における仮想空間(バーチャル空間)で企画・実施されるオンラインイベントの形態であり、バーチャル展示場やVRオフ会といったイベントもバーチャルイベントの一環です。
バーチャルイベントでは各ユーザーが自分の象徴となる「アバター」を利用し、パソコンやVRシステムなどでそれを操作しながら他のユーザーと交流したり、バーチャルコンテンツを鑑賞したり、またその他にも様々なオンラインサービスを活用することができます。
バーチャルイベントは大小問わず世界各国で利用されており、オンラインの情報発信拠点やコミュニケーション拠点としてマーケティングにも利用できます。
ARは「Augmented Reality」の略であり、日本語では「拡張現実」と訳される用語です。ARは実際の現実空間を、専用のアプリやシステムを通して鑑賞することにより、その場には存在しないキャラクターやテキスト、コンテンツなどをまるで現実世界に存在しているかのように表示させられるといった技術となります。
例えばスマホのカメラを通して建物を見ると、その窓から特定のキャラが顔を出すといったサービスはARです。
VRは「Virtual Reality」の略であり、日本語では「仮想現実」と訳されます。
VRは仮想的に構築された空間の中にユーザー自身が入り込むことで、まるで現実世界にいるような感覚で、デジタル情報によって構成されたコンテンツや情報に触れられるという点が特徴です。
VRゴーグルなどを装着してVR空間へ入ると、普段の日常を見ているような視界でデジタル世界を鑑賞することができます。
メタバースはインターネット上に構成されたVR空間に、ユーザーがアバターを介して参加して様々なサービスや体験を叶えられるオンラインサービスです。
メタバースではバーチャル展示場のような企画が開催されたり、世界各国のユーザーがアバターを使ってリアルタイムで交流するイベントが企画されたりしています。
現実世界で開催されるイベントに対して、メタバースなどのオンライン空間で開催されるバーチャルイベントの強みは、何よりもまずインターネットへ接続できる環境があれば世界中のどこからでもリアルタイムでイベントへ参加できるという点です。
現実のイベントであれば距離や費用、時間などの制約によって参加できなかった人でも、バーチャルイベントであれば気軽に参加できるため、通常のプロモーションでは開拓できなかった販路や新規ユーザーにもアプローチしていけることがメリットです。
またAIを活用した翻訳サービスなどを併用すれば、日本人同士だけでなく異なる言語を話す外国人ユーザーとも人種や年齢、性別といった属性を超えてコミュニケーションを取れることもポイントになります。
バーチャル空間はデジタル情報によって構成されている世界であり、非現実的な現象や非日常的な体験も相応の技術さえあれば自由自在に実現して共有することができます。
またVR技術やVR機器を利用して視覚や聴覚をメタバースの環境にマッチさせることで、それらの超常的かつ創造的な体験を自分自身の感覚で味わえる点も重要です。
バーチャルイベントやメタバースを活用した企画などは日進月歩で発展しており、今後ますます様々な場面や環境で利用価値を見出していくと期待されています。
加えて、AI技術やVR機器の発展や普及によって、従来のVR環境では現実味が薄かったようなバーチャル空間でも将来的にあたかも現実そのもののような感覚で楽しめる可能性も期待されています。
バーチャルイベントはアイデア次第で多くのビジネスチャンスを獲得できる場所といえるでしょう。
バーチャル展示場を含めてあらゆるバーチャルイベントは、前提としてそれを再現するためのデジタル技術やCGデータといったものが必要になります。そのため、根本的に専用サイトやニーズにマッチしたデジタルコンテンツを制作できなければ、理想通りのバーチャルイベントを実現することは不可能です。
また高密度のデータをやりとりするためには相応の通信環境や機器性能などが必要になり、全てのユーザーに推奨されるシステムやハードを共有することが難しいという物理的な課題も無視できません。
加えて人気のバーチャルイベントなどは悪意ある第三者からの攻撃や不正アクセスにも対処しなければならず、構築しただけでは維持できない可能性もポイントです。
バーチャルイベントで体感できる情報はVRゴーグルや専用機器を使って得られるものに限られており、例えば視覚や聴覚は現実さながらのクオリティで再現できたとしても、質感や肌触り、味や香りといったものについてはまだまだ発展途上です。
将来的にそのような感覚を再現する技術が実現したとしても、少なくとも現状において感覚の密度は現実の体験に劣ります。
バーチャルイベントを企画して専用のメタバースを構築したとしても、実際にその中で思い通りの動作や活動を行えるかは試してみなければ確認することができません。また仕様上は問題ないと思われていたとしても、実際に利用してみると見え方や操作性に違和感や不備を見つけられることも少なくなく、バーチャルイベントを実施する際には事前に開発者や関係者のみでチェックやリハーサルをすることが必須です。
また想定外の行動をするユーザーや推奨性能を満たさない機器でアクセスするユーザーの可能性についても想定して、可能な範囲で事前確認しておきましょう。
その他、VRゴーグルを使わずパソコンのモニターやマウスで操作する場合の見え方なども要チェックです。
少数のユーザーのみがメタバースへ参加している時には問題なく動作していたとしても、大勢のユーザーが一堂に会することでデータの通信量が急増し、サーバー負荷が増大してシステム障害が発生するリスクもあります。
そのため特に特定少数の招待客だけが参加するのでなく、オープンイベントのように不特定多数のユーザーが参加できる企画においては、事前にサーバー負荷の試験や対策を講じておかなければなりません。
バーチャルマーケット(VirtualMarket)はメタバースを舞台として開催されている大規模国際イベントであり、世界中から様々な企業やクリエイターが参加者としてブースを出店し、さらに一般のユーザーも様々なアバターを使ってそれらの空間を散策したり商品を取引したりすることが可能です。VR参加のみならずブラウザ参加も可能で幅広い顧客の交流に寄与しています。
日産自動車は新型電気軽自動車「日産サクラ」の発表や試乗会をメタバースSNSプラットフォーム「VRChat」で実施しました。イベントでは日産の副社長がアバター姿で登場してボイスレターを再生し、また試乗体験としてもユーザーが日産サクラの運転席に乗り込んで幻想的なドライブコースを運転するといった体験が可能でした。
かつてはいかにもポリゴンで製作されたと分かるようなアバターやフェイク感のある仮想空間しか製作できなかったメタバースですが、現在はその技術やクオリティが急速に進歩しており、今後は一層にデジタル技術の発展に比例してメタバースの品質やバーチャルイベントの多様性も拡大していくと考えられます。
そのため将来的なマーケティング戦略の強化を考える上で、バーチャルイベントの需要に注目することはビジネスチャンスの獲得に役立つでしょう。
ここでは、出展後にユーザーデータをはじめとする情報を取得できると公式サイトに明記されているバーチャル展示場を課題別に紹介します。
特徴
特徴
特徴
※選定条件
2023年5月18日Googleで「バーチャル展示場」「バーチャル住宅展示場」「VR展示場」「バーチャルモデルハウス」「メタバース住宅展示場」と検索して、バーチャル展示場のプラットフォームを提供している32社のうち、取得できるデータやレポートについて明記している会社は3社のみでした。それぞれの会社をマーケティングに関するサービスの特徴別に紹介します。
LIVRA WORLD:より精度の高いリアルタイムでのユーザーデータを取得できるという特徴から紹介(取得可能データ:顧客情報、各社掲載ページの行動ログ、VRモデルハウスの全体の行動ログ)
MY HOME MARKET:コンセプト考案などの住宅商品開発の支援など、出展前の相談にも対応しているという特徴から紹介(取得可能データ:全体のサイト動向、各社月次レポート)
工務店のメタバース住宅展示場:出展後の運用をすべて委託できるという特徴から紹介(取得可能データ:毎月の運用結果)
(※2023年7月編集チーム調査時点)