このページでは、工務店・ハウスメーカーの集客方法としてDMを活用するメリットを解説します。主なDMの種類別にメリット・デメリットをまとめているほか、DMの反応率・集客効果を高めるポイントについても紹介しています。
DMは特定のターゲットに直接アプローチできるメディアのため、住宅・不動産の購入やリフォームを検討している新規顧客の獲得をはじめ、見込み顧客との接点の確保、既存顧客へのリピートの促進などに活用することが可能です。ターゲット層を細かく分類して必要な情報を配信できるので、大規模な広告キャンペーンを打つよりもコストを抑えられるメリットがあります。
住宅業界では、住宅を購入する可能性が高い見込み顧客からの問い合わせに対して、迅速かつ的確な対応を行うことが求められます。DMは見込み顧客からの問い合わせに迅速かつ的確に対応でき、効果的なコミュニケーションをとる手段としても有効です。
見込み顧客が興味・関心を持っている住宅商品やサービスのカタログ・チラシなどをDMで送付することで、販促効果を期待できます。
また、DMで提供する情報をターゲットの検討段階に合わせることにより、販促効果をより向上させることが可能です。たとえば住宅の購入を意識し始めた潜在層には、自社の住宅商品のデザインや性能が視覚的に伝わる内容が適しています。資料請求を受けてカタログやチラシなどをすでに送付している場合は、商品をより深く知ってもらう機会として完成見学会や構造見学会などの案内を送付するのも効果的です。
自社ブランドのイメージにマッチした紙質や形状を選ぶことでオリジナル性をアピールでき、他社のDMとの差別化を図れます。また、DMを発送したら終わりではなく、丁寧かつ親切なアフターフォローを心がけることで、顧客満足度の向上や自社ブランドのイメージアップも期待できるでしょう。
過去に住宅を購入したことのある顧客へのDMは高い開封率を期待できるため、住宅のメンテナンスやリフォームサービスを契約してもらえる可能性が高く、リピート率の向上を図るのにも効果的です。
郵送DMは、ハガキや封書などでDMを個人宅に直接郵送する方法です。ハガキはイベントや新商品の案内など幅広い用途に利用できるのが特徴です。封書はチラシやカタログなどを封入できるため、ハガキよりも多くの情報を伝えたいときに利用されます。
電子メールでのDMは迷惑メールを疑われて開封してもらうのが難しかったり、ほかのメールに埋もれて見逃されたりすることがあります。郵送DMなら顧客の自宅に直接届けられるので、電子メールでのDMに比べて開封率が比較的高いのが特徴です。また、紙媒体として手元に残るので再読性も高く、レスポンスにつながりやすいのも郵送DMならではのメリットです。
電子メールやFAXを使ったDMはアプローチできる層が限定されますが、郵送DMなら電子メールをそもそも利用していない人やFAXを設置していない個人宅・企業にも幅広くアプローチすることが可能です。FAXでのDMは印刷されずにデータ削除されることも多いほか、「紙やトナーが消費されるのでFAXでDMを送ってこないでほしい」といったクレームにつながってしまう可能性もあるので注意が必要です。
また、郵送DMのメリットとして、新規顧客か既存顧客かによって伝える情報を変えられる点も挙げられます。たとえば新規顧客であれば新商品やキャンペーンに関する情報を送って興味を持ってもらったり、既存顧客にはカタログや割引チケットを送ってリピート率の向上を図ったりと、顧客に合わせて柔軟に対応できるのが魅力です。
色や文字の配置などを工夫できる郵送DMは、デザインやレイアウトを自由に決められるのがメリットです。視認性に優れているため、写真やイラストを使って商品・サービスを効果的にアピールすることが可能です。また、ターゲットに合わせてデザインを変えることで、顧客認知度やブランドイメージの向上を図れるメリットもあります。
郵送DMは、印刷費や郵送作業費、郵送料などが発生するため、ほかのDMに比べて金銭的なコストが多くかかってしまうのがデメリットです。また、郵便物の需要減少や物流コストの上昇などによって郵送料も値上げされているので、金銭的な負担は今後さらに大きくなる可能性があります。多くのコストをかけたのに広告効果が低いという結果にならないよう、郵送DMを活用する際は採算が取れる施策設計を立てることが大切です。
郵送DMは企画・デザイン作成、印刷の発注などに時間がかかるほか、発送してから顧客の手元に届くまでにも日数を要します。封書で発送する場合は、封入作業も必要です。そのため、開催日が近い企画・キャンペーンの案内といった、すぐに伝えたい情報発信の手段には向いていません。情報を発信できるスピードにおいては、電子メールやFAXでのDMが優れています。
郵送DMは電子メールでのDMに比べて開封率は高いものの、封書や圧着ハガキは開封の手間がかかるため、開封されずに捨てられてしまう可能性があります。普通ハガキの場合は裏返すだけで内容を確認できるので、情報が伝わりやすい一方で、記載できる情報量が少ないのがデメリットです。
封書や圧着ハガキでDMを送る場合は、開封してもらうための工夫が必要になります。
インターネットの普及により、電子メールでDMを送ることも増えています。郵送DMに比べてコストがかかりにくく、さらに掲載できる情報に上限がないので広告販促に優れているのが特徴です。ただし、取り扱う商品やサービス、ターゲットの年齢層によっては郵送DMのほうが適している場合もあるため、使い分けが必要です。
電子メールで送るDMは、郵送DMと違って印刷費や郵送作業費、郵送料などの費用がかからないため、低コストで情報を発信することが可能です。封入作業のための人員を確保する必要がないので、現場の負担や人件費を抑えられるといったメリットもあります。
郵送DMだと発送までに多くの工程を経る必要があるため、顧客の手元に届くまでにどうしても時間がかかってしまいます。電子メールで送るDMなら、原稿が用意できた時点で送信することが可能です。数分以内に相手の手元に届けられるのは、郵送DMではできない電子メールのメリットです。
電子メールにはリンクを挿入できるため、工務店のホームページをはじめ、各種申し込みページや商品の詳細確認ページなどに誘導しやすいというメリットがあります。郵送DMやFAXでもQRコードを設置すれば誘導はできますが、スマートフォンを用意してQRコードを読み込む必要があるため、リンクをワンクリックするだけの電子メールのほうが誘導には効果的です。
電子メールでDMを送る場合、件名で興味を引くのが難しく、開封されないまま削除される可能性があります。また、迷惑メールフィルターによって迷惑メールフォルダに振り分けられてしまうことも考えられます。ほかの受信メールに埋もれてしまうこともあるため、開封のハードルが高いのがデメリットです。
DMの内容に興味を持てなかったり、配信の頻度が高かったりする場合、受信拒否や配信拒否されてしまう可能性があります。受信拒否や配信拒否をされてしまうと、電子メールによるDMでのアプローチができなくなってしまうため、DMの内容やタイミング、配信頻度には注意が必要です。
DMの反応率を高めるには、「自分に関係のある内容だ」と感じてもらうことが大切です。そのためにも、どのような客層を獲得したいのか、実際に工務店を訪れる潜在顧客の属性を分析し、ターゲットを明確にしましょう。年齢や性別、居住地、趣味、購入・問い合わせ履歴などの具体的な情報をもとにターゲットを明確に設定し、DMの目立つ箇所にターゲットにとって身近な話題やメッセージを文字や写真で記載します。
不特定多数に向けたDMではなく自分に関係のある内容だと顧客に思わせることで、DMの開封や閲読を促せ、反応率アップを期待できます。
DMは開封して読んでもらわないと意味がないため、開封してもらえるようなデザインや情報の伝え方を意識することが大切です。
郵送DMの場合はデザインやレイアウトの自由度が高いため、DMの内容に合わせて色彩や文字の大きさ、配置などを工夫し、訴求力の高いデザインにすると顧客の関心を引きつけやすくなります。同封している割引・クーポンなどの情報を顧客の目に留まりやすい場所に記載するのも効果的です。
電子メールの場合は、件名にインパクトのあるキャッチコピーを記載すると良いでしょう。
自社や商品をアピールしたいからといってDMの内容が宣伝ばかりだと、顧客に「押し売りされている」という印象を与え、かえって信頼を損ねてしまいます。ただでさえ顧客は売り込み臭に敏感なうえに、見込み顧客の場合は関係性の薄い企業からDMが送られている状況です。そのようななかで営業色の強いDMは読み進めてもらえる可能性が低いため、反応率や集客効果も見込めないでしょう。
顧客との関係を構築するためにも、まずは顧客の関心を引く内容をメインに記載し、価値のある情報を提供してくれる工務店と印象付けることが大切です。もっと話を聞きたいと思わせることで、DMの反応率アップにつなげられます。
「工務店に問い合わせたり、モデルハウスへ実際に足を運んだりするのはハードルが高い…」と感じている人にアプローチするには、DMとバーチャル展示場を併用したマーケティングがおすすめです。
バーチャル展示場とは、パソコンやスマートフォンなどの画面上で住宅展示場を見学できるサービスのこと。展示場の様子が3DCG(VR)などでリアルに映し出されるので、展示場まで足を運ばなくてもモデルハウスをいつでも気軽に見学できるのが魅力です。
郵送DMにQRコードを印刷したり、電子メールDMにリンクを貼ったりすることで、バーチャル展示場のページに誘導することが可能です。問い合わせやモデルハウスの見学といった行動に移せなかった人にも自社の商品の魅力をアピールでき、DMだけでは難しかった新たな集客効果も見込めます。
ここでは、出展後にユーザーデータをはじめとする情報を取得できると公式サイトに明記されているバーチャル展示場を課題別に紹介します。
特徴
特徴
特徴
※選定条件
2023年5月18日Googleで「バーチャル展示場」「バーチャル住宅展示場」「VR展示場」「バーチャルモデルハウス」「メタバース住宅展示場」と検索して、バーチャル展示場のプラットフォームを提供している32社のうち、取得できるデータやレポートについて明記している会社は3社のみでした。それぞれの会社をマーケティングに関するサービスの特徴別に紹介します。
LIVRA WORLD:より精度の高いリアルタイムでのユーザーデータを取得できるという特徴から紹介(取得可能データ:顧客情報、各社掲載ページの行動ログ、VRモデルハウスの全体の行動ログ)
MY HOME MARKET:コンセプト考案などの住宅商品開発の支援など、出展前の相談にも対応しているという特徴から紹介(取得可能データ:全体のサイト動向、各社月次レポート)
工務店のメタバース住宅展示場:出展後の運用をすべて委託できるという特徴から紹介(取得可能データ:毎月の運用結果)
(※2023年7月編集チーム調査時点)