インターネットやSNSを活用した集客は、今や一般的な手法となっていて、工務店業界でもX(旧Twitter)を活用する事業者が増えていますが、思うような集客効果を得られていない方も少なくありません。
ここでは、工務店におけるX集客の重要なポイントと注意点をご紹介します。SNSでの集客を検討中の方や、現在の集客効果に課題を感じている方はぜひご覧ください。
Xは、以前の名称「Twitter」から名称変更された短文投稿型のSNS。140文字という文字制限を特徴とし、テキストベースの情報発信がメインとなっています。日本国内では数々のSNSの中でも多くの利用者数を有し、月間アクティブユーザー数は約6,658万人(2023年1月1日〜12月31日の平均値)。利用者の平均年齢は37歳(2022年5月時点)で、20代を中心に幅広い年齢層に利用されています。
個人の日常的な投稿から企業のブランディング活動まで、多様な目的で活用されており、情報拡散性が高く、リアルタイム性に優れている点が特徴です。匿名性が高いため、複数アカウントを持つユーザーも多く、趣味や関心事に関する活発な交流が行なわれています。
工務店の集客では、住宅購入を検討する年齢層とXの利用者層が合致している点が大きな強み。家づくりを考える層は情報収集に熱心で、Xでの建築関連のハッシュタグ検索も活発です。地域密着型ビジネスである工務店は、地域特化したハッシュタグと組み合わせることで、効率的に見込み客にアプローチできるでしょう。
また建築・リフォーム業界では「見た目」が重要な決め手です。Xの視覚的な投稿機能を活用し、施工事例や作業工程を魅力的に発信できます。さらに、他社の施工事例や業界トレンドのリポストを通じて、専門性の高い情報発信が可能な点も利点です。
画像・動画による施工事例の共有、リツイート機能による情報拡散、ハッシュタグを活用した露出増加など、多様な方法で認知度を高められます。特に建築業界では、完成物件や工事過程の写真が注目を集めやすく、プロジェクトごとの発信が自然な形で会社のPRに。フォロワー数の増加と共に、口コミ効果も期待できます。
Xでは、リプライやダイレクトメッセージ機能を活用して、興味を持った潜在顧客と気軽にやりとりできます。施主からの質問や相談にタイムリーに応答でき、工事進捗状況の共有や完成後のアフターフォローにも利用可能。継続的な関係構築に活用できます。
アカウント作成が無料で、専門的な知識がなくても運用を始められる点もXの魅力。広告費用をかけずに地域のターゲット層へアプローチでき、写真や動画の投稿も簡単にできるため、追加の制作コストがかかりません。
人員や予算が限られる工務店でも、効果的なマーケティングツールとして活用できます。
InstagramやFacebookなど他のSNSとの連携投稿が容易で、各プラットフォームの特性を活かした情報発信が可能です。Xでの投稿を自動的に他のSNSにシェアし、さまざまな層へのリーチを一度の操作で実現することも。プラットフォーム間での相互送客も期待できます。
地域や利用者の興味関心に基づいたハッシュタグを使用することで、家づくりに関心のある地域住民に効率的にアプローチできます。フォロワーの興味・行動分析により、投稿内容や発信タイミングの改善が可能。より効果的なターゲティングを展開できます。
X運用を成功させるには、アカウントの目的を明確に設定することが不可欠です。ブランド認知度の向上、見込み客の獲得、顧客との関係強化、採用活動の支援など、メインとなる目的を定め、それに応じた投稿戦略を立てましょう。目的に合わせて、投稿のトーンやターゲット層を設定し、適切なKPIを設定することで、効果測定も容易になります。
また、運用体制を整備し、担当者の役割や投稿ガイドライン、緊急時の対応フローなども事前に準備しておくとより効果的に運用できるでしょう。
プロフィールは、アカウントの第一印象を決める重要な要素です。会社名や事業内容、対応エリアなどの基本情報はもちろん、自社の特徴や強みを簡潔にアピールしましょう。また、問い合わせ方法やウェブサイトへのリンク、営業時間なども明記し、潜在顧客がアクションを起こしやすい環境を整えるとベターです。
視覚的要素も重要で、企業ロゴやヘッダー画像は、ブランドイメージに合致したデザインを採用しましょう。さらに、資格・認定情報や受賞歴なども、信頼性を高める要素として効果的です。
企業アカウントとは別に、経営者や従業員の個人アカウントを活用することで、より親近感のある情報発信が可能になります。個人アカウントでは、現場での日々の発見や技術的な試行錯誤の過程、業界の最新動向への考察など、より専門的かつ人間味のある投稿をするのがおすすめです。
ただし、個人の意見と会社の立場は明確に区別し、プロフェッショナルな態度を保ちましょう。また、企業アカウントとの適度な連携や、業界内のネットワーク構築、地域コミュニティとの関係強化にも、個人アカウントは有効に機能します。
Xのアルゴリズムは投稿へのエンゲージメント(いいね、リツイート、返信)を重視する仕組みです。特に投稿直後の1時間の反応が重要で、この時間帯でどれだけの反応を得られるかで、その後の表示範囲が大きく変化します。
そのため、フォロワーが最も活発な時間帯を把握し、その時間に合わせて投稿することが効果的です。一般的に平日の朝7-9時、昼12-13時、夜19-22時がユーザーの活動が活発な時間帯とされています。文章と画像を組み合わせた投稿や、施工過程のタイムラプス動画など、視覚的なコンテンツは特に高い反応が期待できる点も考慮すると良いでしょう。
質問形式の投稿や、業界知識の共有など、フォロワーが反応しやすい内容を意識することも大切です。
ハッシュタグは投稿の到達率を高める重要な要素ですが、多用は逆効果となります。1投稿につき1~2個を基本とし、投稿内容に関連性の高いものを選ぶのが重要です。地域特化型、サービス内容、業界関連、キャンペーン用など、目的に応じて適切なハッシュタグを使い分けましょう。
トレンドを把握し、時期に応じた効果的なハッシュタグの使用もポイントです。独自のハッシュタグを作成する場合は、シンプルで覚えやすいものを心がけましょう。
定期的な投稿は、アカウントの存在感を維持し、フォロワーとの関係性を強化する上で非常に重要です。理想的には1日1~2回の投稿を目安とし、最低でも週3回は更新することをおすすめします。投稿内容は、朝の現場状況、昼の工事進捗、夕方の完成物件紹介など、時間帯に応じた内容を意識すると良いでしょう。
また、月曜日は週の目標、水曜日は住まいの豆知識、金曜日は1週間のまとめなど、曜日ごとのテーマを設定することで、計画的な投稿が可能になります。さらに、季節やイベントに合わせた特別な投稿も、フォロワーの興味を引くコンテンツとして効果的です。
Xは双方向のコミュニケーションプラットフォームとして、顧客との信頼関係を構築する重要な機会となります。フォロワーからの質問や相談には丁寧に回答し、必要に応じて追加情報も提供しましょう。建設的な議論への参加や地域の話題へのコメントなど、積極的なコミュニケーションを心がけることで、アカウントの信頼性が高まります。
ただし、プロフェッショナルな態度を維持し、誹謗中傷は絶対に避けるべきです。クレームなどのトラブルが発生した場合は、冷静に対応し、必要に応じてDMでの対応に切り替えるなど、状況に応じた適切な対応が求められます。
効果的なX運用には、データ分析に基づく継続的な改善が不可欠です。投稿のインプレッション数、エンゲージメント率、フォロワー増減の推移、プロフィールへのアクセス数、ウェブサイトへの誘導率など、さまざまな指標を定期的に確認し、分析しましょう。
特に高いパフォーマンスを記録した投稿の特徴を把握し、それを今後の投稿に活かすことで、より効果的な運用が可能になります。
また、定期的なA/Bテストの実施や、競合アカウントとの比較分析なども、改善のヒントとなります。これらの分析結果は、チーム内で共有し、運用方針の見直しや新たな施策の立案に活用しましょう。
工務店の信頼性を維持するため、全てのユーザーに対して一貫した対応を行なうことが重要です。質問への返信時間、情報提供の範囲、コミュニケーションのトーンなど、具体的な対応ルールを設定し、担当者間で共有しましょう。
特に見積もりや価格に関する質問、施工依頼の可能性がある問い合わせには、公平かつ丁寧な対応を心がけ、特定のユーザーを優遇したと誤解されないよう注意が必要です。
建築・リフォーム業界は金額が大きく、顧客の関心も高いため、些細なトラブルが炎上につながるリスクがあります。そのため、投稿前のチェック体制を整備し、誤解を招く可能性のある表現や個人情報の取り扱いには特に注意を払いましょう。
また、クレームや批判的なコメントへの対応手順を事前に決めておき、感情的にならず、事実に基づいた冷静な対応ができるよう準備しておくことが重要です。
Xでの集客は即効性を期待できず、フォロワーの獲得や信頼関係の構築には一定の時間が必要です。特に工務店の場合、顧客の意思決定までの期間が長く、投稿から実際の成約までにかなりの時間を要することを理解しておく必要があります。
短期的な結果にとらわれず、継続的な情報発信と丁寧なコミュニケーションを通じて、徐々にブランド価値を高めていく姿勢が重要です。
ここでは、出展後にユーザーデータをはじめとする情報を取得できると公式サイトに明記されているバーチャル展示場を課題別に紹介します。
特徴
特徴
特徴
※選定条件
2023年5月18日Googleで「バーチャル展示場」「バーチャル住宅展示場」「VR展示場」「バーチャルモデルハウス」「メタバース住宅展示場」と検索して、バーチャル展示場のプラットフォームを提供している32社のうち、取得できるデータやレポートについて明記している会社は3社のみでした。それぞれの会社をマーケティングに関するサービスの特徴別に紹介します。
LIVRA WORLD:より精度の高いリアルタイムでのユーザーデータを取得できるという特徴から紹介(取得可能データ:顧客情報、各社掲載ページの行動ログ、VRモデルハウスの全体の行動ログ)
MY HOME MARKET:コンセプト考案などの住宅商品開発の支援など、出展前の相談にも対応しているという特徴から紹介(取得可能データ:全体のサイト動向、各社月次レポート)
工務店のメタバース住宅展示場:出展後の運用をすべて委託できるという特徴から紹介(取得可能データ:毎月の運用結果)
(※2023年7月編集チーム調査時点)