「集客を強化したいけれど、何から手をつけるべきか分からない」「なんとなく施策を続けているけれど、効果が見えにくい」。そんな悩みを抱えている工務店にとって、頼りになるのが「フレームワーク」です。
フレームワークとは、思考や情報を整理し、課題を正しく捉えるための“考え方の型”のようなもの。経験や勘に頼るだけでなく、客観的な視点で自社を見つめ直し、今後の方向性を明確にするのに役立ちます。
このページでは、工務店の集客やブランディングに役立つフレームワークを目的別に紹介していきます。
フレームワークとは、物事を体系的に整理し、判断や戦略立案に役立てるための“枠組み”です。課題を話し合うとき、同じ情報でも整理の仕方によって出てくる答えは大きく変わります。たとえば「最近問い合わせが減った」という現象を考える際に、
といった視点があらかじめ用意されていれば、話し合いはより具体的で実践的になります。
フレームワークは、こうした視点の“道しるべ”を与えてくれる存在です。思考の軸を整え、見えづらかった課題の本質や、自社の強み・立ち位置を明確にしてくれます。
SWOT分析は、自社の現状を「内部」と「外部」から整理して、戦略のヒントを見つけるフレームワークです。
たとえば「住宅性能に自信がある」という強みと、「省エネ住宅への関心が高まっている」という機会を掛け合わせれば、強みを活かした提案がしやすくなります。
また、「SNS発信力が弱い(弱み)× 若年層の情報収集はWeb中心(脅威)」といったように、改善すべき優先課題も見えてくるでしょう。こうした組み合わせは「クロスSWOT分析」と呼ばれ、戦略の方向性を「攻め」「守り」「改善」「撤退」といった観点で整理できます。
VRIO分析は、自社の資源が「持続的な競争優位」につながるかを評価するフレームワークです。
たとえば「自然素材の家づくりに関する高い技術」を持っていても、それを活かす提案力や人材がなければ優位性を維持するのは難しくなります。逆に、価値・希少性・模倣困難性のいずれかが際立っていて、社内でしっかり活かせていれば、強い競争力があると言えるでしょう。
STP分析は、「どこで戦うか」「誰に何を届けるか」を明確にするフレームワークです。3つのステップで、自社のターゲット市場と立ち位置を整理していきます。
たとえば、「30代子育て世帯」「アウトドア好き」「自然素材志向」といった条件で分類し、自社が最も価値を提供できる層に絞ってポジションを定めていくイメージです。
ポジショニングでは、価格や性能、設計の自由度など、比較されやすい軸を選び、競合との差を可視化します。このとき、「競合をどこに置くか」で悩む場合は、まずはWeb・SNS・ポータルサイトなどで競合情報を集めることから始めましょう。
3C分析は、Customer(顧客)・Company(自社)・Competitor(競合)の3つの視点で、自社の強みや訴求ポイントを見つけるフレームワークです。
この3つを照らし合わせることで、「自社にしかない価値(=バリュープロポジション)」が見えてきます。
4P分析は、自社が提供する商品やサービスについて「どのように市場に届けるか」を整理するフレームワークです。以下の4つの要素から構成されます。
たとえば、若年層をターゲットにするなら、住宅性能よりも「コストパフォーマンス」や「子育てのしやすさ」といった訴求が重視されます。逆に、40代以上の層であれば、断熱性やメンテナンス性などの実質的な価値が響くケースが多く、価格と商品特性のバランスの取り方も変わってきます。
4C分析は4Pを“お客様の目線”に置き換えた考え方です。工務店にとっては、顧客満足や信頼獲得につながる視点として活用しやすいフレームワークです。
4Pが「企業がどう売るか」だとすれば、4Cは「顧客がどう受け取るか」。顧客にとって負担なく、魅力が伝わるかという観点から、販促や商品提案の見直しに使うと効果的です。
カスタマージャーニーマップは、顧客が家づくりを決断するまでの流れを段階的に整理し、それぞれのタイミングでどんな気持ちや行動をしているかを可視化するフレームワークです。一般的な検討ステップは以下のように設定されます。
このプロセスごとに、
を整理していくことで、「この段階で声がかけられていなかった」「見込み客が離脱していた原因はここかもしれない」といった気づきが得られます。施策の見直しだけでなく、見込み客の“取りこぼし”を減らすためにも有効です。
せっかくフレームワークを使っても、分析だけで終わってしまっては意味がありません。ここでは、分析結果を実際のマーケティング施策にどうつなげていくか、そのポイントを整理しておきましょう。
「施工実績が多い」「地域密着で20年」というような事実は、自社の“特徴”ではあっても、必ずしも“強み”とは限りません。大切なのは、その特徴がお客様にとってどんなメリットになるのかを見極めること。
といったように、顧客視点のベネフィットに変換する必要があります。
フレームワークを使って分析を進めていくと、理想的なイメージや願望が強く出てしまうことがあります。分析で見つけた「強み」が、本当に今の事業内容や市場ニーズに合っているか?を冷静に見直す作業も重要です。
場合によっては、ターゲットの再設定やサービス内容の見直しが必要になるケースもあるでしょう。
分析結果をもとにマーケティングを設計する際は、「どの強みを、どの手法で届けるか」を具体的に考えましょう。
強みによって選ぶべき媒体や表現方法が異なるので、思考の整理から施策まで、一貫した戦略設計が大切です。
ここでは、出展後にユーザーデータをはじめとする情報を取得できると公式サイトに明記されているバーチャル展示場を課題別に紹介します。
特徴
特徴
特徴
※選定条件
2023年5月18日Googleで「バーチャル展示場」「バーチャル住宅展示場」「VR展示場」「バーチャルモデルハウス」「メタバース住宅展示場」と検索して、バーチャル展示場のプラットフォームを提供している32社のうち、取得できるデータやレポートについて明記している会社は3社のみでした。それぞれの会社をマーケティングに関するサービスの特徴別に紹介します。
LIVRA WORLD:より精度の高いリアルタイムでのユーザーデータを取得できるという特徴から紹介(取得可能データ:顧客情報、各社掲載ページの行動ログ、VRモデルハウスの全体の行動ログ)
MY HOME MARKET:コンセプト考案などの住宅商品開発の支援など、出展前の相談にも対応しているという特徴から紹介(取得可能データ:全体のサイト動向、各社月次レポート)
工務店のメタバース住宅展示場:出展後の運用をすべて委託できるという特徴から紹介(取得可能データ:毎月の運用結果)
(※2023年7月編集チーム調査時点)